7 7月
2021

Calm


穏やかな時間をあなたと共に。

***

私が描くと、やっぱり兄弟のようになってしまう池上×仙道。
3年勢が去る際に、池上が妙にあっさりしていたのは、こうした仙道の一面(しんみりとした雰囲気が苦手で、甘えん坊なところがある)を知っているからとか萌える。
池上だけが知っている仙道の本音とかね、なんか萌えるんですよ。

甘える仙道に池上は、きっとたまには面倒くさがりながら温かく構ってあげていると更に萌える。甘える受けが好きです。

7 7月
2021

アイスプレイ

 薄暗い八畳ほどの広めの部屋。
 床はフローリングで、低めのテーブルとそれに見合った低めのラブソファ、その他には大きめのベッドと、最低限必要な物だけしかない部屋を、テレビの明かりだけがぼんやりと部屋の中を照らしだしている。
 沢北は隣に座り、先程からぼんやりとテレビを観ているこの部屋の主を一瞥する。
 最初にこの部屋に入ったとき、部屋を見回した沢北は思わず言った。

「随分とシンプルな部屋だな。なんかこう、置いたりしないのかよ。置物とか」
「ん?片付け苦手だからさ。それに面倒だから、あまり物を置かない様にしてしてるんだよ」

 そう即答したこの部屋の主こと仙道に、沢北は心から同感した。現に沢北の部屋もあまり物は置いていない。
 理由は仙道と同じく、だ。そんな沢北だから、この部屋に随分と心地よさを感じていた。
 しかし夜になり、一階に下り夕食を済ませ、この部屋に戻った時。仙道は一度照明を点け、テレビを点けると短く「消すね」と言い、照明を消してしまった。
 そして今に至る。
 いくらシンプルな部屋が好きだと言っても、この様はとても寂しい感じがした。
 いつもこんな薄暗い部屋で過ごしてるのかと、眉を寄せ嫌そうな顔をして問う。
 沢北は、あまり暗い場所は好きではない。何となく不安になるから。幼稚だと思われても仕方ない。それが理由なんだから。
 だから中学三年生になった今でも寝る際には、豆電球を点けて眠りについている。これからも、眠る際には電気を点けたまま眠るんだろうと何となく思っている。
 一方の仙道は暗い部屋が好きだ。
 それが何故だか、本人さえも分かっていない。それでも小さい頃から、暗がりな所を好んだ。
 寝る時は必ず部屋を暗くするし、テレビを見る時は必ずと言っていい程に部屋の明かりを消す。
 何度か親に、視力が落ちるから止めなさいと注意を受けたことがあるが、止められずにいて、親ももう注意しても埒がないとあきらめている。
 沢北の問いに中途半端に伸ばした前髪を掻き上げ、うん、と短く答えた。

「お前、見かけによらず根暗な奴だな」

 唇をキュッと上げて、少し皮肉を言ってみせるが、全く意味はなさなかったみたいだ。

「あはは、どうも」

 嫌味だと分かっているんだろうか。それとも分かっていないんだろうか。沢北にはサッパリ分からない。
 ただ、いつもの笑みを浮かべてそう言う仙道に、嫌味が通じない嫌な奴だと思うと、もうそれ以上は何も言わなかった。
 再びテレビに視線を戻す。続けて仙道も再びテレビに視線を戻した。
 テレビは好きだ。もちろんバスケをすることが一番好きだ。その次に食べること、寝ること。
 それから次にテレビが好きだ。一番はバスケだから、無理してまで見たりはしないが。
 久々に見るテレビ。最近は全国大会などで、テレビを見る機会が減っていた。集中して見たいと思ったが、どうやらそれは叶いそうにない。
 さっきから隣にいる仙道を見ては、ドキドキしていて、中々テレビに集中出来ずにいる。残念にも思うが、それ以上に滅多に会えない人と一緒に居られることが嬉しく思える。
 だが、純粋にそう思いたいのだが天の邪鬼な気質がある為か、中々それを認めずに、沢北はテレビを見続けた。

「アイス食う?」
「あ?」

 見ていた番組が終わり、コマーシャルが始まると仙道が言い出した。ほんの少し首を傾げて沢北を見た。
 沢北はふと、先程観たテレビの内容を思い出した。
 そういえば、タレントが旅番組でアイスを美味そうに食ってたな。ていうことはアレか?テレビ観てたら食いたくなったってことか?

 意外と子供らしい所があるんだなと思うと、この妙に大人びた部屋とのギャップが可笑しくて堪らない。プッと吹き出し笑うと、仙道が少し頬を膨らませた。
 が、それが今の沢北には逆効果だったらしく、仙道のその膨れっ面を見るなり、また笑い転げた。

 笑い過ぎた所為か呼吸を整えるのに、多少なりと時間を要してしまったが、何とか呼吸を整え滲んだ涙を拭うと仙道を見る。
 仙道はホッとしたように笑う。
 もう膨れっ面ではない。もう一度「アイス食べる?」と訊いてきたので、今度は素直に首を縦に振ってみせる。

「そう、良かった。じゃあ持ってくるからちょっと待ってて」

 笑顔でそう残し立ち上がると、ゆっくりとした動きで仙道は部屋を出ていった。
 閉じられたドアを見ると、余計に一人になった感じがしてならない。
 早く戻ってきてほしい、と考えながら、沢北はふと先程の仙道のことを思い出していた。
 あれだけ馬鹿にされたように大笑いされたというのに、今では笑顔を向ける仙道。
 オレだったら無理だ。あんなに笑い転げられたら、きっと半日は苛々したまんまだ。  それなのに仙道は一時間どころか、ものの数分で…。
 仙道って大人だよな、色んな意味で。
 
 そんなことを考えていると、何だか自分がとても子供のような気がして沢北はしばらく落ち込んだ。だが、それから仙道が戻ってくるまでの間、仙道について考えてみようと思い立った。

 二人が出会い、こうして付き合い始めてから一週間も経たない。告白をしたのは、沢北からだった。自分でもこのことには、今でも驚いている。
 沢北が仙道に告白をした日。それは二人が初めて出会った全国大会の日のことだった。
 試合が始まる前から仙道の話は聞いていた。東京に仙道という凄いプレイヤーがいる。それも、自らガンガンと点を獲りにいくタイプだと。
 自ら点を獲りにいくタイプとは、まさに自分と似たスタイルを持つ奴だ。
 それらを聞いていた沢北は、胸が踊る感覚を覚えずにはいられなかった。
 試合開始前、両チームウォーミングアップの最中、ちらりと相手のチームの連中を見た沢北は、すぐに噂のプレイヤーが誰なのか分かった。
 背は185センチ程だろうか。周りの選手に比べて大分背は高い。また、目にかかりそうなくらい中途半端に伸ばし、端から見ると欝陶しそうにも見える前髪が印象的なその選手。遠目から見ている為、ハッキリとはその顔立ちは見て取れなかったが、十分に整っていることは分かった。
 それから、彼の表情に沢北の目は奪われる。
 笑っていた。楽しみだ、そういった笑顔を仙道は浮かべていたのだ。
 同じ学年の選手なら、沢北の噂の一つや二つ聞いているはずだ。ましてや、対戦相手のことなら、それは尚更だ。
 少しは怯んでいてもおかしくはない。それなのに、仙道はただただ、これから始まる試合を純粋に楽しみにしている、という感じだった。
 ちくしょう。沢北は、小さく心の中で呟いた。仙道の態度が気に入らなかった。
 本気で潰してやろうと心に決めた。それと同時に、違う感情が芽生えていたのだが、沢北はそのことには気づいておらず、仙道を倒す為、列に並んだ。

 試合終了を告げるこのブザーを聞くと同時に、いつもなら自然と口許が緩む。
 沢北率いるチームが勝利を修めたというのに、沢北の心はいまひとつ晴れていない。
 それもこれも、目の前の仙道の所為。
 整列しながら、上目遣いがちに相手のチームメイトを見た。
 悔しそうなのは確かだが、その顔にはそれぞれ満足感さえ漂っていた。
 負けたくせにどうして?
 ふと、キャプテンである仙道を見る。仙道は乱れた前髪を手で後ろに掻き上げながら、ぼんやりと天井を仰いでいた。
 沢北の視線に気づいたのだろうか。目が合うと仙道は笑った。

 思わずドキッとした。
 たった今、仙道率いるチームは負けたというのに何事もなかったかのように、ふわりと笑った見せた。
 仙道の笑顔が何を示すかなんか分からない。負けたのに、笑う。
 どうして?という言葉だけが頭の中を駆け巡る。仙道の笑顔を見ていると、何故か不安な気持ちになってきて、愕然としてしまう。
 挨拶の間も沢北は仙道から視線を外すことが出来ない。挨拶を終えジッと見据えた。  だけど、ずっとそうしている訳にもいかず右手を差し出した。
 キャプテン同士が軽く握手を交わす。この握手は、勝った者から負けた者への「お疲れさま」のメッセージが籠もっていたり、負けた者から勝った者への「次も頑張れよ」のメッセージが籠もっている。必ずしなければいけないだなんて決まっていないから、しない場合もある。
 負けて歯を食い縛って背中を向けるキャプテンも多くはない。

 だが、こいつなら。

 試合中、随分とプライドの高いだという印象を受けた。それでも仙道なら、この手を握るだろう。笑いながら。そう考えていると、案の定、笑顔で右手を差し出し沢北の手を握った。その手は僅かにヒンヤリした感じがして、少し驚いた。
 それから仙道は、他の誰にも聞こえないくらいの小さな声で確かに言った。握られた手に一瞬力がこもる。

「ありがとう。めっちゃ楽しかったよ」

 子供のように無邪気な笑みを浮かべて、沢北を見据える。無邪気なはずの笑顔は、沢北にヒヤリとした感じをもたらした。
 この時、既に沢北の心が試合開始前から仙道に支配されていたことに、沢北はようやく気がついた。

 控え室に戻った沢北は、心の整理をした。こうして滅多に他人のことについて考えることのなかった為、苦労してしまう。だけど、自分は仙道のことをどう思っているのか、必死に考えた。
 考えに考えた結果、ようやく沢北の中に答えが出た。答えが出たからには居ても立ってもいられなくて、部員たちに用事があるからと伝え控え室を出ると、ある場所に向かった。

 会館の誰も人が来ることがなさそうな、だが風当たりの良い階段の踊り場に仙道は一人でいた。こちらに背を向ける格好で、コンクリートの壁に身を預けて風に当たっている。

「よ、仙道。お疲れ」

 声をかけると仙道はゆっくりとした動きで振り返る。やはり笑っていた。

「よくここが分かったね」
「オメェんトコの奴に訊いた」
「そっか。…で、どうした?」

 肝心な所を訊かれ、沢北は思わず押し黙ってしまった。
 黙り込まれてしまうと、流石の仙道も困ったように沢北の近くまで近寄り、顔を覗き込んだ。沢北は言った。

「オレさ、仙道のこと好きだ」

 仙道が驚いたように眉を上げ、少し慎重になりながら言葉を選び言う。

「…好きって、今日会ったばかりじゃん」
「分かってるよ、そんくらい。でも好きになった」

 正直、それから後のことは覚えていない。あまりにも緊張して、だ。だけど自分が仙道に一目惚れした、と言ったことや、仙道が笑いながら、首を縦に振ったことは覚えていて、今もそれらを思い出すと、心の中が温かくなる。

「沢北、お待たせ」

 やっと戻ってきた仙道に「おせぇよ」と一言不平を漏らす。
 本当は嬉しさでいっぱいだったのだが。

「ごめんごめん、冷凍庫の中がすげぇことになっててさ」

 棒アイスの一本を沢北に寄越すと、仙道もその隣に座る。ふわりと仙道の匂いがして、沢北は口許を緩ませた。
 早速袋を開けてアイスを味わう。バニラ味のアイスの甘味と冷たい感覚が、口内に染み渡る。

 仙道もワンテンポ遅れてアイスを食べ始めた。その為、沢北の方が早くアイスを食べ終えてしまう。
 食べ終えた沢北は、あまり仙道を見ないようにしていた。見られながらだと、急かしてしまって悪いと思ったのだ。
 だが、あまりにも仙道が中々アイスを食べ終える気配がしなかったので、ふと仙道を見やる。
 仙道は、一口一口ゆっくりとのんびりとアイスを食べていた。一口、口に含んではゆっくり噛んで。
 なぜわざわざ噛むのだろうか。横目で見ながら疑問に思ったが、沢北はそれを口にはしなかった。
 ゆっくり噛んで食べているせいだろう。アイスが溶け始めて、仙道の腕に溶けたアイスが一筋、二筋流れ落ちる。

「仙道。アイス溶けてんぞ」
「あ、本当だ」

 沢北に言われて初めてそのことに気づいた仙道は、ようやく自分の腕を見た。それなのに仙道は動かない。
 そんな仙道を見た沢北は、ため息をついて仙道の腕を取ると、その腕をペロリと舐めた。どうしてそんな行動に出たのかわからない。
 仙道の体がピクリと反応した。

「沢北…?」

 眉を思いっきり上げて目を丸くした仙道は、軽く身を引いた。笑っていない。

「仙道がのらりくらりとアイス食ってるからだ。とっとと食っちまえ」
「ねぇ、沢北」
「あ?」
「一緒に食べようか」

 今度は沢北が目を丸くした。仙道は笑いながら沢北を見ている。少し意地悪な感じの笑顔。

「あぁ?あと半分もねぇんだから、さっさと食っちまえよ」
「分かってないなぁ、沢北は」

 言って仙道は手元のアイスを一口、口に含むとそのまま沢北の口に自らの唇を運ぶ。
 流し込まれる液体よりも、仙道の行動に驚いて沢北はまた驚いた。
 しかし、嬉しくなってアイスを、仙道とのキスを味わう。舌を絡ませ、もっともっと仙道の味を味わえるように深く。
 息苦しくなって唇を離す。互いに肩で呼吸しているのに気づく。
 見つめ合い、躊躇いがちに仙道の瞳を見つめる。
 仙道は薄く笑い頷いた。
 沢北は仙道の瞳を見つめたまま、仙道が握るアイスを奪うと一口含む。仙道がゴクリと息を飲んだ。緊張してるんだ、と思った。
 互いに服を脱がし合い、唇を重ねる。初めてのことだから仙道も沢北も、脱がせるのに時間を費やしてしまったが。
 重ねた唇から液体が零れ落ち、それを舌で追う。耳の穴を舐める。

「ん…」

 仙道が擦れた声を漏らした。
 暗がりな部屋の為、はっきりと仙道の顔は分からない。照明を一つ点けようかとも思ったが、止めた。
 またアイスを口に含んで、今度は首筋に落とす。舌で丁寧に溶けたアイスを、仙道の体に塗りたくっていく。
 胸の突起を舐めあげると仙道の体が反り、より強い快感を示して沢北にそのことを知らせた。
 沢北は仙道が感じる所を、しっかり覚えようとその体を味わった。

 沢北は何度も擦れた声で「好きだ」と言った。何度も、何度も。
 自分はまだ幼すぎて、「好き」という言葉でしか想いを伝える術をもたない。
 それでも、どうしても仙道に伝えたくて沢北は何度も「好きだ」と言い続けた。

オマケSS

沢北は何度もオレに好きだって言った。
頬を赤くして何回も。
あ、ごめんね、沢北。オレ視力良いからバッチリ沢北の表情見て取れてた。
まぁ、そんなことどうだって良いんだけど。
でもさ、好きって言葉が聞けなくなると、ちょっと不安感じてたり。
なんなんだろう、オレ、沢北にベタ惚れみたい。
だから、これからもよろしくな。

オマケSSend

7 7月
2021

Break Time

 さて、どうしようか。このムラムラしてきちゃった気持ちを。
 目の前には大学受験へ向けて、真面目に勉強に励む花形さんの姿。真剣なその表情はすごく格好良くて、見ていて何故か嬉しい。以前、花形さんにあなた程のプレイヤーなら、そんな勉強なんか要らないでしょうと言ったことがある。花形さんは県内有数のセンターだから、学校側も推薦してくれるだろうし、大学側からもバンバン声がかかってくるだろうから、勉強なんか要らないだろうと思っての発言だった。  が、花形さんからの返事はそりゃ長いものだった。
 眉間に皺を寄せた花形さんが発した第一言目は「馬鹿」
 何事も油断は禁物だ。だからのんびりしていられない。真剣な表情で、花形さんはそう言った。大学でもバスケを続けていきたい。相変わらず無表情だけど、強くて熱い眼差しで花形さんは勉強の大切さについて語った。こんな時に限ってオレは大きな欠伸を一つ。仕方ないじゃないか。生理現象なんだから。
 案の定と言うべきか、更に眉を潜めた花形さんの長い長い説教が始まった。いつもは花形さんの姿を見るだけで、和むことの出来るオレでも、流石に説教の類は嫌いだ。そして、また欠伸をしてしまったが為に、花形さんの説教が長引いてしまったことは言うまでもない。
 そんなこともあって、その日以来オレは花形さんの勉強中に茶々を入れなくなった。説教なんて真っ平ごめんだ。だけど花形さんの斜め前に座って漫画本を読みつつも、花形さんに下心を抱くオレは結構限界に近くて、その唇に少しだけでも良いから触れてみたいと思う。その一方で邪魔したら悪いなとは思う気持ちも勿論あるけど、「ここのところご無沙汰だったし。良いよね」なんて気持ちの方が大きくなって、オレは行動に出た。

「花形さん?」

 机の上に広げたノートから視線を外した花形さんが、ゆっくりとオレを見る。その静かな視線にさえ、オレの心臓はバクバクいってる。いつもはこんなこと無いのにな。

「どうした仙道」

 オレは花形さんに向けていた視線を、わざと薄暗くなってきた窓の外にやる。花形さんもつられたように窓の外を見た。横目で花形さんを見て、よし、と心の中で万歳。窓の外を見たまま、独り言のように呟く。

「暗くなってきましたねぇ…」
「あぁ、そうだな」

 こんなつっけんどんな返事も、オレのあと二言三言で甘い返事に変わるんだ。いつだってそう。どんな状況でも、まぁ、勉強の事に関しては無理なんだけど、オレの言葉で花形さんは驚くくらいに優しくなるんだ。そんなオレの心の中を花形さんは読み取っていて、その度に「お前には敵わないな」と言ってオレの髪の毛をクシャクシャにしながら笑う。その手が気持ち良いから、その手が早く欲しくて、それから思わず花形さんの返事の内容のことを先に考えて、段々と頬の辺りが緩んでくるのが分かった。やばいな、これじゃ変態じゃん。まぁ、良いけど。

 窓から目の前にいる花形さんに目を向けて、少し上目遣いがちに、出来る限りの甘い声で囁いた。こんな時のオレは、恋する乙女。なんちゃってね。

「…やろうよ」

 さぁ、なんて返ってくるか。
 滅多に緊張することのないオレでも、こんな時は緊張してならないんだ。でもそれを表情に出さないようにして、ジッと花形さんの瞳を、いや、口許を見つめた。ほら、やっぱり早く返事を聞きたいじゃん。
 一向に花形さんの口許が動かない。ただただオレのことを、無表情な顔して見つめているだけ。
 もしかして外しちゃった?おかしいな、いつものやり方なのに。
 視線を花形さんの口許から外して、フローリングに目をやる。駄目かもしれない。そう思って。
 しばらく互いに動かないままの時間が過ぎる。この状態は流石に辛い。冗談ですよとでも言って、早くこの場を終わらせよう。と思った次の瞬間、ぐいっと凄い力で引き寄せられた。
 床から視線を外して視線を真正面にやると、黒いシャツが鼻に当たる。花形さんのシャツだ。それから腕が背中に回されたことに気付き、ようやく、抱き締められたことが分かった。そのまま床に押し倒される。頭を打たないように、ゆっくりと。床に全身がついたと同時に、両腕を花形さんの背中に腕を回す。花形さんが、一瞬震えたのが自分の手を通して分かった。オレと同じように緊張してるんだと分かった途端、嬉しくて、胸の中がくすぐったい。

「勉強は良いの?」

 嬉しいくせに意地悪っぽく笑ったオレは、天の邪鬼。そんな天の邪鬼の返事に花形さんが嫌そうな顔をした。それから、呆れたように溜め息をついた。

「これだからお前は…。休憩も必要だろ。何事にも」
「休憩、ね」

 また意地悪っぽく笑ってみせた。少し呆れた表情ではあるが、花形さんも笑った。
 ゆっくりとした動きで花形さんの顔が落ちてくる。その動きにもどかしさを覚えて、花形さんの首を抱え込み一気にキスをした。力が入り過ぎていた所為か、ガチリと歯がぶつかり合ってしまった。結構痛い。だけど、このまま唇を離すのは惜しくもある。舌を差し出し、花形さんの口内に触れるとすぐに花形さんの舌も絡んできた。こうしてしばらく互いの唇を味わう。
 キスの間も、シャツの裾から花形さんの手が入ってきて、肌を撫で回す。鎖骨から突起へ。突起から横腹へ。そして、再び鎖骨へと手は動く。
 かなり気持ちいい。
 徐々に昂ぶっていく気持ちに耐え切れず、花形さんのベルトに手をかける。
 ふと、花形さんが唇を離し、苦笑した。もっとその唇を味わいたかったのに。

「彰はせっかちだな」
「だって早く欲しいから」

 言いながら花形さんの体からすり抜けてベッドに移る。ベッドに腰掛け花形さんの名前を呼ぶ。すると花形さんは、ゆっくりと立ち上がりベッドにと向かってくる。オレの前に立ちすくむ花形さんに、早くきてほしいから腕を伸ばす。花形さんにその気持ちは伝わったようだ。乱暴に押し倒され、シャツを脱がされる。だからオレも少し焦った気持ちになって、花形さんの服を脱がしにかかる。

「ん」

 花形さんがオレを黙らせようとわき腹を擦ったきた。弱いところなんだ、わき腹は。全身に電気が走ったように体が跳ねて、すぐにそこに意識を集中させる。そうしたらすぐに花形さんの手がオレのベルトに伸び、ズボンを開放して。
 花形さんらしい愛撫にうっとりしながら思う。この休憩がいつまでも続けば良いのにななんて、オレはきっと欲張りなのかもしれない。でもそう思わずにいられないほどに、花形さんのことが好きなんだ。

「花形さん、好きだよ」

 言葉は言葉にする度に言葉の価値は薄れていくという。女々しいって思われるかもしれないけれど、繋がっていたいと思うからオレは構わず伝える。けれども言った途端、挿入する為に指で慣らしていた花形さんが、指の動きを止めた。花形さんは何も言わずに自身をあてがうと、ゆっくりと入ってきた。答えを聞きたかったのに答えが貰えず、不安になる。でも不安以上に快感が強くて、喘ぎシーツを掴んだ。

「…あぁっ」

 オレがどんなに喘ごうと花形さんの口から、好きだという言葉を耳にすることはない。まるで放っておかれてる気がして寂しくなる。そんなことを考えていると段々と疲れてきて、意識がぼんやりとしてくる。性欲は解消できかけている。それでも…。

「彰…」

 久しぶりに聞いたような気がする花形さんの声。そちらに顔を向ける。何?って、そんな視線を向けると、花形さんは確かに言った。

「不器用でゴメン。…好きだ」

 滅多に聞けることのない花形さんの本音に、オレは心からこの人を好きになって良かったと思えた。

End


仙道より背の高い攻めって、魚さん以来…!?

7 7月
2021

Temperature※R-18

 花道はごろりとフローリングの床に寝転んで、卓袱台越しに仙道を見る。仙道も花道の視線に気づくと、にっこりと微笑みかけてやる。
 満足した様に花道は笑うと手元に触れたバスケットボールを手に取り、ごつごつとした感触を楽しむ。
 少しでも暇な時は、こうして花道は仙道の部屋に訪れる。
 付き合い始める前から度々この部屋に訪れていたので、今では第二の自分の家と言っても過言ではないような気がしている。それもそのはず。何がどこに置いてあるのか、すでに熟知してしまっているのだから。
 一方の仙道も、花道を快く受け入れる。花道が来ると、笑顔を向けて花道を部屋に通しお茶を出す。
 それから仙道はお茶を啜り、音楽に聴き浸る。仙道の部屋に来た時は、必ずといって良いほど、音楽が流れている。仙道が聴く音楽は洋楽ばかりだった。
 花道はその様子を、ただのんびりと見ているだけ。洋楽どころか邦楽さえも、滅多に聴くことのない花道は音楽に関しては無知なわけで。
 だから少し気になった曲があれば、曲名やアーティスト名を仙道に訊く。
 初めて会った時から、花道にとって仙道という人間は常に先をいく存在だ。
 いくら追いついたと思い、その腕を、体を抱き締めても仙道は花道の腕からスルリとすり抜ける。そしてまた、仙道は自分の先をのんびりと歩いている。そんな存在なのだ、仙道は。
 そして、花道はそんな仙道を追いかけるのが好きだ。
 それでも、やはり仙道の傍にありたいと思う。少しでも仙道に近付けられたら良いと思う。そんなことを考えながら、いつも花道は問う。

「なぁ、これ。何て歌手が唄ってるんだよ」
「これはね…」

 仙道は嫌な顔一つせずに、曲名やアーティスト名を花道に教える。
 時に、このアーティストはこんな歌も歌っている。昔はこんなことがあったアーティストなんだ、と花道が訊いていないことも仙道は教えてくれる。
 仙道が饒舌になる時は、特に好きなアーティストについて訊かれた時。
 本当に、楽しそうに仙道は喋る。
 全てのアーティストや、曲名を覚えるのは難しい。それでも仙道が特に好きだと言うアーティストやその曲は覚えようと、必死に音楽に聴き入った。
 音楽に聴き入る度に、もっともっと仙道のことを知りたくなる。と同時に、ちょっと違う所も知りたいと思っていた。
 例えば、肌の感触や温もりを。
 性欲を解消したいからではない、と言ったら嘘になってしまう。だが、仙道の全てを知りたいと思うことは確かだ。
 しかし花道はそれを言えずにいた。
 肌の温もりを求めるということは仙道との性交を求めている、ということになる。  確かにたまに、抱き締めあったりキスをすることはあるが、体を求めたことはなかった。
 ましてや、自分も仙道も男なのだ。男が男を求めている、なんて仙道が分かったら何て言うだろうか。
 相変わらず笑うんだろうなと想像はつく。あの仙道がやみくもに抵抗するとは、到底思えなかった。
 抵抗せずに受け入れるだろう。だが、もしかしたら、仙道の心の奥底で拒絶されるかもしれない。
 拒絶されたまま付き合うということは、抵抗されるよりもその方がより一層恐ろしいことに思える。だから花道は仙道の体を求めているといったことを口にしたことがない。
 ずっと思っていたことではあるが、何故か今日に限ってそのような思いが花道の心を強く支配した。何となく悶々とした気持ちになってきた。花道は堪らず仙道を呼んだ。

「なぁ、センドー」

 呼ばれた仙道は手元の雑誌から目を反らし、何だと目で問いかける。花道は仙道の元に詰め寄ると抱き付いた。
 一瞬だけ仙道の体が小さく跳ねたが、すぐに手に持っていた雑誌を卓袱台の上に置くと両腕を花道の背中に回す。

「どうした?」

 仙道の声が当然ながらに近くに聞こえて、花道の鼓動が大きく高鳴った。

「あのよ、キス…しようぜ」
「あぁ、良いよ」

 クスリと笑って仙道は瞼を閉じる。軽く唇を開いたその表情に花道はゴクリと息を飲む。
 両手で仙道の頬をとらえて自分の唇を押しつける。舌を差し出し、舌で仙道の唇をなぞる。仙道の口の中に、舌を侵入させた。
 すぐに仙道の舌も、花道の舌に絡んでくる。
 逃がさないように、強く仙道の舌を吸う。何故かいつも、花道の舌に自分の舌を絡ませると、すぐに逃げる。
 仙道とのキスは、まるでゲームをしているような感じだ。こんなキスも嫌いではない。

 いつもよりも激しく貪りつくようなキスの為、いつの間にか仙道を押し倒していることに花道は全く気づいていない。
 組み伏せられ軽くみじろいだ仙道の膝が、花道の股間へと当たる。
 その瞬間仙道の目が見開かれる。懸命に自分の唇を犯す花道の肩を押しやる。
 そんな仙道の行動に驚きながらも、花道はヘラヘラ笑う仙道を不満そうに睨む。

「桜木」
「んだよ」
「起っちゃってるよ」
「ぬっ!?」

 ガバッと体を起こすと花道は自分の中心を見た。
 確かに起っている。  キスしていて気持ち良いと思えたことは多々あったが、こうして起ち上がったことはない。
 悶々としていたからかもしれない。そんなことを考えていると、更に自分のそれが熱を帯び始めたような気がした。
 花道は、おずおずと仙道の中心を見る。仙道の中心は全く反応していない。
 どうして自分だけ。悔しくなって花道は仙道の中心をズボン越しに握った。分厚い生地の為に、しっかりとは握り込めなかったが。
 仙道が小さく息をついた。
 握り込んでから花道は分かった。仙道のそこも、花道と同じように熱を帯び始めていることを。
 仙道も花道とのキスで感じていたのだ。そう考えると嬉しくて、握っていた手を解放しもう一度仙道に覆い被さる。

「なぁ、センドー」
「ん」
「ずっとテメェのこと、知りたくて仕方なかったんだ」

 花道は自分が思っていたことを全て仙道に話した。顔を赤めながら。
 仙道は自分にとって手を伸ばしても届かぬ存在だ言うと、仙道は思わず、「そんなことないよ」とふにゃりと笑った。
 一つ、咳払いをして花道は言葉を続ける。
 仙道を追いかけるのが、楽しくて仕方ない。たまに恐いと思うこともある。もしこのまま、届かなかったらどうしようかと。それでも、追わずにはいられない。
 言いながら仙道の髪を梳いてやる。整髪料を付けている為か、ゴワゴワした感触が妙に気持ち良い。
 髪を梳かれた仙道は嬉しそうに微笑む。

「オレ、もっとセンドーのこと知りてぇ」

 仙道は何も言わず頷いた。今まで見たどの笑顔よりも、優しく見えた。
 仙道の手を取り重ねる。重ね合った手は湿りを帯びており、互いの欲望を強く物語る。もう何も語る理由はなかった。
 早くお前が欲しい。そう訴えかけるその瞳に心を激しく打たれ、花道は仙道のシャツに手を滑り込ませる。仙道が擦れた息を吐いた。
 思わずドキッとして、顔を覗き込んだ。
 気持ち良いらしく、少し苦痛を滲ませた表情を浮かべていた。花道が自分の顔を見ていることに気付くと、仙道は笑顔を向けた。
 笑う仙道に更に強い欲情を抱き、少し乱暴にシャツを脱がせる。早く仙道の全てに触れたかったからだ。

 ズボンを脱がせるのには少々手間取ってしまったが、全て脱がし終えると花道はくまなく仙道の体を見つめた。自分と同じくらいの身長をしているのに、自分の体と比べるとその体は少し痩せて見えた。

「オメェ、ちゃんと飯食ってんのか?」

 急な、しかも場違いな花道の問いに仙道は面白そうに笑う。

「食ってるよ」

 仙道の部屋が生活感をあまり感じさせない部屋だからだろうか。なら良いと短く言って花道はホッと肩を落とした。
 しかし、ホッとするのも束の間。ふと、自分だけ服を着ているのは悪いように思えて一旦仙道の上から退くと着ていた服を全て脱ぎ捨て、また覆い被さる。
 首筋に唇を落として口付け、強くそこを吸う。

「桜木…」

 仙道が自分の名を呼ぶのが分かった。が、どうしても先に跡をつけたかった。だから、花道は返事を返さずに跡を付けることに集中した。仙道は自分の物だと、ここに証したかったのだ。
 唇を離し、自分が付けた跡を見つめる。そこには色鮮やかな赤い跡がついていて、その跡は花道に新たな官能を呼び起こさせる。
 もう少し見ていたいと思ったが、それよりも先に仙道の全てを知りたいと思い、花道は仙道の肌を舌と手で愛撫していく。胸の突起から、体の隅々まで。
 元々色の白い仙道の肌が、赤みを増していく。それに伴い、熱を帯び汗をかいていく。その様を愛しく思う。

「あっ…」

 花道が仙道の中心に触れた時、ついに仙道が声を洩らした。ずっと我慢していたのだろう。口に銜えて先端を舌でなぞると、我慢も限界を迎えたのか、仙道は喘ぎ続けた。
 そう、それで良い。もっと乱れろ。

 乱れゆく仙道を見つめ、花道は仙道の先走りを指に絡めとり後ろの、蕾に指を侵入させる。仙道が仰け反った。
 中で指を動かしながら花道は仙道の顔を見る。目が合う。また、仙道は薄く笑った。ある所に指が触れると、大きく体を震わせた。
 しばらく中を慣らし指を抜く。そこは花道を受け入れることが出来る位に潤った。

「センドー」

 足を抱え込み、自身をあてがう。

「入れるぞ…」
「……うん」

 そう言って笑う仙道の声も、花道の声も擦れていた。
 なるべく仙道が痛くないように花道は、ゆっくりとした動きで仙道の中に入っていく。

「はっ……、んっ」

 喘ぐ仙道をじっくりと見ていたいと思ったが、それどころではなかった。
 初めて受け入れるその場所は、締め付けが凄まじい。そのうえ、侵入しようとしてくるものを押し出そうとしていて、花道は眉を寄せて短く呻く。それも仕方ない。なんせ初めての行為で、ましてやそこは排泄する為の器官なのだから。
 それでも何とか根元まで入ることが出来ると、動きを止めて仙道を見る。
 いくら気を付けたといっても、仙道が痛い思いをすることに変わりはない。
 額に冷や汗を浮かばせ、歯を食い縛る仙道の頬を優しく包み込む。呼ぶ。

「大丈夫か、センドー…。動くぞ。無理だったら言えよ」

 花道の声に安心した仙道は、笑い小さく頷いた。

「大丈夫だよ。…だから」

 動いて、と言った仙道の声がすごく甘く聞こえた。花道も頷き、ゆっくりと打ち付ける。
 喘ぎながら、シーツを掴む仙道の手に自分の手を重ねてやる。
 少しでも痛みが和らげれば。そんなことで、和らぐことはないと分かっていた。分かっていたが、それでも花道はその時、そうしたいと思った。
 苦しげな呼吸を洩らしていた仙道が、うっすらと目を開けて上目遣いがちに花道を見て微笑んだ。
 言葉には出さなかったが、仙道のその目は「ありがとう」と確かに言った。花道は、泣きたくなる位の喜びを感じた。仙道を好きになって良かった。心の奥底からそう思えた。
BR>  人を好きになること。愛すること。
 仙道と付き合うまで、それは至って簡単なことだと考えていた。いや、どちらかというと考えていなかったに等しい。
 例えば誰かを見て、一目惚れする。可愛いから好きになる。例えば誰かと話していて、ふとした仕草に惚れる。ちょっとドキッとしたから好きになる。今までそれが好きということだと思っていた。
 しかし、今こうして仙道を抱いて初めて分かった。
 人を好きになるということは、恐さや不安を伴うことなんだと花道は知った。
 本当にこのままで良いのだろうか。相手は自分のことを、どう思っているのか。守っていけるのか。そう考えると不安でならない。
 だけど、仙道の笑顔を見ると、そこにいてくれて良かったという喜びを感じる。それから、感謝の気持ちが沸き上がってくる。その気持ちは、自分をも幸せな、温かい気持ちにさせてくれる。
 それが好きだと言うんじゃないだろうか、と仙道と付き合い初めて数ヵ月経った今、花道はようやく気がついた。

「さくら…ぎ」
「あぁ、なんだ」
「…いく」

 涙目でそう訴えてくる仙道に、花道は一つ頷くと仙道に手を触れて先端を擦ってやる。

「あぁっ………」

 体を大きく震わせて仙道は達した。白濁が花道の手を汚す。肩で息をする仙道と、手の平を見つめると、再び花道は腰を動かす。力の抜け切っていないそこは、再び花道の動きに反応を示し始める。
 仙道も掴んでいたシーツを離すと、花道の背中に腕を回す。花道から離れないよう縋りつくように。
 しばらくして達した花道は、それでも仙道を求める。仙道は喜んでそれを受け入れた。
 二人の夜は、まだまだ終わらない。花道も仙道も疲れていた。だが、求めることが止められずに激しく求め合った。

 翌朝目が覚めると仙道はまだ眠っていた。ベッドから降りようとした時、少し煩くしてしまい、思わず「ヤバい」、と仙道を振り返った。
 そんな花道の心配はいらなかった。仙道はぐっすりと眠っていて、全く起きる気配がない。仙道の寝汚さはよく知っているが、夜のことを思い出すと当然だと思えた。
 何か飲もうかとベッドから起き上がったものの、花道はまたベッドに戻り横になる。仙道の寝顔を見つめていたいと思ったのだ。
 いつか仙道の全てを知ることが出来る日が来るかどうかなんて分からない。だけど、今は仙道だけを見つめていたいと思う。
 この声、笑顔を、肌の温かさ感触を大切にしていけたら良い。
 ふと、花道は窓の外を眺める。そこでようやく、カーテンを閉めていなかったことに気づいた。窓から射し込む太陽の光が、とても新鮮なもののように見えた。
 目が覚めた仙道に、このことを伝えたら仙道は何と言うんだろうか。仙道も同じことを感じたら良いな、花道はそう思うと何となく照れ臭くなって頭を掻いた。

End

*
珍しく長い話。求め続けたってありますが、彼らは初めてな訳で。あぁ、顔から火が出るほど恥ずかしい。

Uo・ェ・oU

2,008年ごろに一人でお絵かきチャットをしていた時のログです。

仙道はある時はチーターのようなネコ科にも見える。チーターは試合中。ライオンじゃないなぁ、ジャガーかな?いや、ヒョウかも。
この絵はオフ時の仙道が牧に甘えるようなところをイメージして描いたものらしい(当時のログ曰く)

その甘え方がまるで犬Uo・ェ・oUのようだったら可愛いなぁと思う。
犬種は仙道!(笑)
ジャーマン・シェパード・ドッグや秋田犬のような感じだろか。堂々と構えた犬が甘える姿が好き。チベタン・マスティフのようなのも!

そんな大型仙道が甘える姿、想像するだけで萌えが止まりません!❤

そしていつかまた仙道絵チャをしたいと思っている。その時はご案内(Java等からはじめ、日時日程など)をしたいと思います(。◕‿◕。)

7 7月
2021

ツンツンした奴とのんびりした奴


巷では仙道×三井が圧倒的多数を占める中、私は過去に一度三井×仙道について考えたことがあった。
他にも田岡×仙道や、岸本×仙道、他にもいろんな妄想を繰り広げていた。楽しかった。
また三井×仙道を描いたのはこれが一度だけで、他のかたが書かれた三井×仙道は見たことがない。
もし、どこかで見たことがあるよー!という方は教えて下さいな♪

三井は感情豊かですが、あまり表情を崩しませんよね。
特にそれが他校の一個したの人となれば、よりツンツンしそうだ。
そんなツンツンした三井に、老若男女問わず態度を変えなさそうな、バスケ以外ではぼんやりとした仙道。
面白いCPだと思う。

この絵は、確かお互い気になり始めた頃に、明らかに三井は仙道と両想いということを認識している、仙道もまた。
そこで押し倒し、ほにゃらら、といったシチュエーションだったかな?

前髪が降りているのは、仙道の部屋に三井がお泊りに来た(あるいはたまたま外で出会って、仙道が部屋に案内。しかし三井が帰ろうとすると豪雨→泊まって行きなよ、な展開のほうが良いかもしれない)といった感じで風呂あがり。
前髪を下ろすと、どこか幼くなったような仙道の雰囲気にたまらず押し倒した、そんな流れ。

セリフはどんな感じだろう。
三井が言った。「オレのこと、好きだろう」
仙道は言った。「!?ははっ、そうかも」

このあとはご想像にお任せいたします。きっと楽しい素敵な時間を過ごしているに違いない。

7 7月
2021

ふたりぼっち

 緩やかに過ぎていくこの時間が好きだ。仙道が一つ仮面を取って(恐らく本人にはそんな自覚はないかもしれないけれど)、有りのままの声を聞かせてくれる。
 本当はいつだって仮面を取った有りのままの姿を見たいと思うが、それはもうちょっと時間がかかるかもしれない。焦らされてるとか、そんな感覚じゃなく、素直に楽しみに待ちわびている。自分がもう少し子供だったら寧ろイライラしていたかもしれない。それでも今はこんな風に楽しみにしていられるのは、きっと仙道のお陰。そんなことを思わせてくれる、この二人きりの時間。
 だけど、たまに卑屈になってしまうことがある。
「お前、また今日女子にコクられてただろ?」

 少し濃い目の、端正に整った顔が俺の動きに轟くのを見る度に、昂りは更に増す。俺の身体で、この顔が歪んでこんな声を出させていると思うと、たまらなく愛しい。これは一種の所有欲だ。
 が、その一方で勿体ないような気さえしてならない。今日、仙道に告白してた子はキレイな子だった。世間一般で見たら普通、くらいにランクされるかもしれないけど、仙道の横に並ばせたらきっととても似合うと思う。
 そう思うと、勿体ないようなそれから悔しく思うんだ。別に俺が女子に生まれてくれば、とかそんなことを思ってるんじゃない。ただ、言葉に表せなくてもどかしい、ちょっとマイナスな感情。
「うん」
 ベッドに横になって俺の愛撫を受けていた仙道が起き上がる。汗が目にかかったのか、目をこする。目を瞑っているために、長い睫毛が陰を落としより一層、仙道の魅力を引き立てる。思わずその頬に触れると、仙道は嬉しそうに笑いながら俺の手に手を重ねた。こんな時でも、やっぱり仙道の体温は俺より若干低い。
「勿体ないよな、キレイな子だったのに…」
 ぼそりと言うと、仙道は一瞬だけキョトンとした顔をして俺を見る。だけどすぐに笑うんだ。
「福田がいるのに、受けるわけにはいかないさ」
 どうしてだろうか。どうして仙道は俺が欲しい言葉を、言ってくれるのだろうか。動かない俺の手をゆっくり摩る。大丈夫だから、そんなメッセージを込もった仙道の手はあたたかい。
「福田?」
 名前を呼ばれてハッとなる。目の前には、行為の為に目を潤ませきった仙道が俺を上目遣いがちに見ていて。
「続き、やろうよ。…もっと、欲しいよ」
 掠れた甘い声を出す仙道の声。滅多に自分から欲を出さない仙道が求めてくる姿はやっぱり愛しい。仙道の手に更に自分の手を重ね、「分かった」と返事をすると、仙道は満面の笑みを浮かべる。
 ゆっくりと仙道を横に倒して、覆い被さる。
 唇を重ねるとすぐに仙道の舌が俺の舌に絡みつく。離さない、とでもいうようなその絡みはまるで一人を恐れるかのように感じた。
 普段人懐こい笑顔を浮かべる仙道は、どこか人とは違う空気を放っている。血の通ってる人間なのに、人間じゃないような。怖いものなどないだろう、と思っていた仙道にも恐れるものがあったのだ。それは孤独。
 なんでも一人でこなせる仙道は、本当は弱かったのだ。いつか口にしてくれる日がくれば良いと思う。それでも今はこういったサインだけでもとても嬉しい。そしてそんな姿を俺にだけ見せてくれる。仙道を好きになって良かった。
 俺だけじゃなく、仙道も素直になるこの時間。俺はこの時間が好きだ。

End
福仙の魅力に気づかせてくれた某友人へ送ったSS。
どのCPもそうだとは思うけど、この二人のふたりだけの時間ってすごく特殊な感じがする。

7 7月
2021

それはまるで兄弟のような


池上と仙道ってお似合いだと思う。絶妙な温かい距離感というのかな、そういうのを感じられるから。
慣れ染めはどんな感じだろう。
あっけらかんとした二人だけど、仙道の中にある様々な葛藤(湘北戦で負けた時のあの表情など)をふと感じ取って、それから頻繁に池上が声をかける。
ぽつり、ぽつりとポジティブなことはもちろん、弱音も出てくる仙道を見て、池上が「こいつのすべてを受け止めてやりたい」と思ったのが始まりだと勝手に妄想している。

同じ3年の魚住とはまた違う安心感が池上にはあって、それに仙道が甘える感じとか萌える。
また、ふたりきりの時はまるで兄弟のようにじゃれ合っているとかわいいなぁ♡

私はこんな池上×仙道が好きです(*^_^*)

7 7月
2021

チラッ⭐︎

▼文字ありバージョン

▼文字なしバージョン

この絵は2,008年に描いたものです。
相当酔っ払って描いていたのを覚えています!(笑)

えっと、誤字脱字が多いのは酔っぱらいのご愛嬌ということで!(笑)
確かサイトで一人で春のパンツ祭りというのをしていました。その一つの絵です。サイトで、「さぁ、皆さんパンツ祭りに参加しませんか!?」と呼びかけたものの、皆さんお恥ずかしがり屋さんなのか誰も参加してくださいませんでした。ふっ。

シチュエーションとしては、とにかく流川が仙道のことを知りたくて、まずはパンツを覗いてみるんですね。
なぜこうなったのかと言うと、好奇心からですね。
そして、流川といったら基本的に他人に無関心だと思うのですが、そんな流川が初めて「ずるい」と思えた相手が仙道だったりすると萌える。
でも、執着ともいえるその感情に流川は気づいていないとか良いですね。非常に良い。

ご冗談が畳談になっているのは、もう酔っぱらいのせいです。やけくそです。

映画版垣原「Rape Me」


虐められたい映画版垣原。演じられていたのは浅野忠信さんです🤗
このシーンは原作にもありましたが、映画版はマイルドにされていました。
さすがにこれは映像化できなかったのかもしれません。

というのが、原作ではこのようになっていました。


これはすごい!(笑)
何度見てもすごいの一言に尽きる。
さすが究極のドM。
垣原って35歳という設定に驚いた。井上さんこと加納を「このガキ」と言っていたので、てっきり40歳半ばぐらいかと。

私は痛い痛い系が苦手なへたれなので、おそらく猟奇的なものだったりは描けないかもしませんが、これからも垣原を描き続けたいです❤️