Candy Shop※R-18
クリーム色の月の光が窓越しに、ぼんやりと仙道の肌を照らす。
白く、キメの整ったその肌は何度見ても飽きない。むしろ、欲望を更に掻き立てる。
「ん…はぁ…っ」
悪戯に逃げる仙道の舌を捕まえると、流川は決して絡めて離さない。
その度にキスは深く激しくなっていく。
たまに仙道は、こうして流川を挑発する。
どうしてこの様な事を仙道が流川を挑発するのか、流川には分からなかった。
だが、仙道が愉しんでいる、それだけは確かだ。
悪趣味なヤツだ。そう心の中で罵倒とも取れる言葉を呟きながら唇を離す。
互いに荒くなった呼吸。
少し呼吸を調え仙道の顔を覗き込む様にして、流川が問う。
「なんで、逃げやがる」
「なんでだと思う?」
ヘラッと笑う仙道に流川は少し眉をひそめた。そんな流川を見、仙道は笑みを深くした。
笑顔のまま、仙道がこんな事を言い出した。
「じゃあ、クイズです」
「…あ?クイズだと?」
「そっ、クイズ。正解したら続きをしよう」
「…出来なかったら?」
「おあずけ」
間髪入れずに笑顔で言う仙道に、更に流川の眉が寄ったその表情からは、明らかな苛立ちが伺える。
「ココまでヤっておいて、外したら、おあずけだなんて、テメェ鬼だな」
確かにそうだ。お互いに上半身裸になっていて、仙道のズボンの前は流川の手によって開放されている。
流川自身、早く仙道の中に入りたいというのに―…。
そんな流川の心中を知ってか、仙道はまたもや愉しそうに続けた。
「はは、確かに鬼かもな。じゃあ、3択にしようか」
「…」
「1番!流川とのセックスを、バスケみてぇに楽しみたいから」
有り得るな、と流川は思った。愉快犯で知能犯でもある仙道なら…。
「2番!流川に、もっとオレに夢中になって欲しいから。オレも流川に、もっと夢中になりてぇから」
流川の胸が一瞬にして温かく火照る。まだ答えは分からないのに、ただただ、そんな選択を出してくれるのが嬉しくてー…。
「3番!……あっ、やべぇ。考えてなかった」
あちゃ~、と苦笑する仙道。そんな仙道に呆れる流川。
「どあほう。クイズ出す位ならキチンと問題考えとけ」
「そうだよな。んで、どっちだと思う?」
「…3択じゃなかったのかよ?」
「だって思いつかないんだもん」
軽く溜め息をつき、流川は仙道の瞳をしっかりと見て言った。
「…2番しか考えられねぇー…」
今度は仙道の胸が熱く火照った。
仙道の答えを待たず、流川は仙道に軽く口付けを。
それから、耳の穴、首筋へと舌を這わせる。
胸の突起に舌が到着した時に、流川が頭を上げ仙道を上目遣いがちに見た。問う。
「当たってんだろ?」
「……あぁ」
流川が微かに笑う。そんな流川の笑顔に、仙道が驚く。
「お前、笑う事あんだな」
「うるせぇよ」
頬を赤くして恥ずかしそうに流川が、するぞ、と言う。
仙道も軽く頬を赤らめ、頷きイエスのサインを出す。
いつまでも続けば良いと、流川も仙道も思う。
甘くて、たまに切なくもなるけど、とにかく甘ったるい、この時間が。
いつまでも在れば良いと、流川も仙道も願う。
流川と仙道だけの甘い甘い、二人だけのこの場所が。
End